保育園での仕事を経て、私は学童保育の世界へ入りました。
年齢でいえばたったの1歳差。
でも、**未就学児と小学生の間には、想像以上に深い違い**がありました。
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社会で“どう生きるか”を考え始める年齢
保育園では、生活習慣・自立・安全・食事…
いわば「生きていくための基礎」を一緒に積み上げていく毎日でした。
けれど、小学生になると“生きる”の次にくる「どう生きていくか」が問われはじめます。
たとえば――
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自分がどうしたいのか
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それをどう伝えるのか
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相手の気持ちにどう気づくのか
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仲間と一緒に時間を過ごすためには、何が必要か
こうした“社会性の芽”が、一気に顔を出してくるのが学童期。
私はここで、初めて「人は“仲間”から育てられる」ことを実感しました。
今は“ひとりでも何とかなる”時代。でも…
正直、今の社会では仲間がいなくても生活は成り立つし、
大人になればなるほど、ひとりでいることは珍しくありません。
でも、同年代の仲間がいることで――
衝突したり、助け合ったり、ふと笑ったり。
その中で「こんな考え方もあるんだ」「人って面白いな」と気づける。
それは、ひとりでは得られない感覚でした。
学童の大人は“先生”じゃない
学童保育における大人の役割は、
「教える人」ではなく、「一緒に考える人」。
子どもたちは、大人の言うことを素直に聞く年齢ではありません。
正論よりも共感、指導よりも対話。
私は次第に、子どもたちにとって“先生”ではなく、“大人だけど仲間”であることのほうがずっと大切だと感じるようになりました。
【保育園→学童で感じたカルチャーショック】
小学生って、“関係性”を自分たちでつくれる
学童で過ごしていた頃、「夕方の1部の時間」にみんなで遊ぶ時間を設けていました。
理由はシンプル。全員で同じ遊びをすることで、仲間意識が育つから。
ただし、ただの鬼ごっこやドッジボールだけではありません。
カルタ大会、人間知恵の輪、クイズ大会、勝ち抜きじゃんけん大会…
どんな子も活躍できるように、**“遊びのバリエーション”**を徹底的に工夫していました。
ある日の「早口言葉大会」での出来事
その日、ふと思いついた「早口言葉大会」。
こどもたちに提案すると「楽しそう!!」と大盛り上がり。
トーナメント戦を開催して、決勝に残ったのは2年生の男女2人。
男の子は運動神経抜群で、男子の人気者。
女の子は、どちらかというと静かめで、おっとりタイプ。
「おっ、これはなかなかの組み合わせ…」と職員たちも見守る中、白熱の勝負。
男子は男子の仲間たちから声援が飛び、
女子には職員たちが全力応援!
結果は、女の子が緊張に耐え切れず失敗してしまい、男の子が優勝。
どっちが勝ったということにではなく、白熱の勝負に決着がついたことで、こどもたちみんなが大盛り上がりでした。
(え、こんなに?って思うくらい、笑)
そして、大人が学ばせてもらう瞬間
負けた女の子は、その瞬間「トイレ!」とだけ言って部屋を飛び出しました。
追いかけるか迷いましたが、きっと悔しさをこらえる時間が必要なんだろうなと思い、戻ってくるのを待ちました。
数分後、何事もなかったような顔で戻ってきた彼女(しっかりと涙のあとはありました)に、私はこう言いました。
「惜しかったけど、かっこよかったよ!よく頑張ったね。緊張したね。」
女の子はクールに「うん」と通り過ぎました。
そして、その子が席についたその時――
優勝した男の子が、彼女に向かってこう言ったんです。
「○○、強かったじゃん。」
周りの子たちも次々にその子を称え、
女の子は、照れ笑い。
私たち職員が何か言う必要なんてなかったんです。
彼らは彼らで、ちゃんと“仲間との関係性”を育てていた。
ああ、これだよ。
学童のこどもたちって、大人が思う以上に他人の気持ちに気づける存在なんだ。
【てんのちょっぴり辛口コメント】
小学生って、大人の思うほど子どもじゃないし大人でもない。
ずるいところもあって、ピュアなところもある。
こども同士の信頼関係が深まるのは、
大人があれこれ介入してコントロールした時じゃなくて、
**ちょっと引いたところで「見守った時」**だったりする。
大人が出すぎない。
でも、ちゃんとそこに“いる”。
それが、学童保育という場で大人に求められる“ちょうどいい距離”なんです。
次回予告|【第4回】学童2:本音と信頼が通い合った“あの夏”
向き合ってきたこどもたちも保護者の方々も「集団」ではなくて「個」だった。
長く働いていると忘れたり、隅に追いやりがちな小さなつぶやきと向き合ってみたらのお話。
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