はじめに
子どもが泣いているとき、あなたはどう対応していますか?
「泣かないで」「大丈夫だよ」
それとも、「泣きたいだけ泣いていいよ」と声をかけていますか?
近年は「泣いてもいい」「すべて受け止めてあげよう」という“全受容スタイル”が主流になってきました。もちろん、こどもの感情を否定せずに受け止める姿勢は大切。でも、それだけで本当にいいの?これって甘やかしてるだけ?と、なんとなく不安になったりしませんか。
今回は、「泣かなくても大丈夫」という視点をあえて取り上げて、感情の成長と自立のバランスについて一緒に考えてみたいと思います。
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①「泣いてもいい」と「泣かなくても大丈夫」は両立できる
こどもが泣いたときに「泣かないで」と言うと、感情を押し殺させてしまうようで不安になる…そんな声をよく聞きます。
でも、「泣かなくても大丈夫だよ」という言葉には、こどもを安心させ、自信を持たせる意味があることを忘れてはいけません。
「その気持ちわかるよ。でも、もう大丈夫だよ」
「悲しかったね。でも先生がいるから大丈夫」
そんなふうに伝えることで、こどもは“感情を感じても、冷静になる力”を身につけていくのです。
②泣く=感情表現 だけど、その先が大切
泣くこと自体は悪いことではありません。
ただ、泣いたままの状態を“正解”にしてしまうと、こどもは「泣けば解決する」「泣けば受け入れてもらえる」と学習してしまいます。
大切なのは、「泣いたあとの行動」を育てること。
泣いて、感情を吐き出して、それで終わりではなく、
「どうしたかったのか」「次はどうするか」を考える力を育てる。
そのためには、“泣くことを全肯定”するのではなく、
**「悲しいのが終わったら、落ち着いて話そう」「泣かなくても、自分の気持ちは伝えられる」**ということを教えていく必要があります。
③受け入れるだけでは、成長のチャンスを逃すことも
保育現場でも「泣いているこどもには無理をさせない」「無理に話しかけず、そっとしておく」など、配慮が強調される場面が増えました。
でも、いつもそれだけでは、こどもの“乗り越える力”が育ちません。
泣いているこどもに対して、「落ち着いたら一緒に考えよう」と声をかけたり、「先生がそばにいるから大丈夫」と言葉を添えることは、こどもに“自分で落ち着く力”を与えることになります。
受け止めつつ、次のステップへ導く関わり。
それが、今求められている“本当の寄り添い”かもしれません。
④“泣かなくても伝えられる”を知ることで、自己表現の幅が広がる
泣く以外にも、気持ちを伝える方法があるということ。
これを少しずつ教えていくことで、こどもたちは自己表現の幅を広げていけます。
たとえば、「泣かずに“悲しい”って言うこともできるよ」
「悔しいときは“くやしい”って言っていいよ」
感情に名前をつけ、言葉にしていくことで、泣くことだけに頼らなくてもよくなっていくのです。
【てんのちょっぴり辛口コメント】
最近、「感情はすべて受け止めるべき」という風潮が強すぎると感じています。
もちろん、気持ちを否定するのはNG。でも、「泣けばわかってもらえる」「泣くことで状況を変えられる」と学習してしまったこどもたちが、学校や社会で苦労する姿も多く見てきました。感情をコントロールできないこども(大人も…)が増えていると感じます。
だからこそ、“泣いたあとどうするか””泣かずに感情を伝える方法”を教える関わりをしていくことが、未来のこどもたちの力になると信じています。
【てんからのメッセージ】
泣くことも、笑うことも、怒ることも、全部こどもの大切な感情。
でも、その中で“泣かなくても大丈夫”を伝えていくことで、
こどもはもっと強く、やさしく育っていきます。
感情の波を一緒に乗り越えていける大人でありたいですね。
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