──私が「アイメッセージ(I Message)」の力に気づいた日
保育園での勤務を経て、学童保育へと異動になったときのこと。
相手は未就学児から小学生に。子どもたちは“お話が通じる年齢”になったはずなのに、私はある違和感にぶつかりました。
ある日、騒がしい遊びをしていた子どもに、私は問いかけました。
「ねぇ、なんでその遊びは良くないと思う?」
その子は、すぐにこう答えました。
「みんなが迷惑だから。」
「まわりの人が困るから。」
その返事自体は、よくある模範解答。けれど、その子の顔にはなにも感情がなかった。
心がこもっていないどころか、言葉の意味すらよく理解していないように感じたんです。
“みんな”って、誰? “まわり”って、どこ?
私は、保育園時代からたくさんの子に向けて言ってきた言葉の空虚さに、そのとき初めて気づきました。
正直、ちょっと絶望的な気持ちにもなりました。
「私」が主語のメッセージを届けることにした
それから私は、伝え方を変えました。
“みんなが”“先生たちが”じゃない。目の前にいる「私」がどう思ったかを伝える。
それが、“アイメッセージ(I Message)”という方法です。
「Eye(目)」じゃなく「I(わたし)」のメッセージ。
たとえば、
子どもが興奮して大声を出していたとき。
「みんなうるさいと思ってるよ」ではなく、
「てんちゃん、耳が痛くなりそうだなぁ。そんなに大きな声じゃなくても聞こえるよ」
またあるとき、子どもが出かける前にグズグズしていたとき。
「早くしないと遅れちゃうよ」ではなく、
「てんちゃん、そろそろ出かけたいな。一緒に行こうよ」
「私」を主語にして伝えると、子どもたちの顔が動き出したんです。
子どもたちは、仲間として「てんちゃん」を見ていた
私の名前を呼びながら、「てんちゃんはこう思ってる」「てんちゃんが言うならやろう」――
そんな空気が、学童の中に少しずつ広がっていきました。
「てんちゃんは信用できる」
そう子どもたちが言ってくれたのは、だいたい秋から冬にかけてのある日。
押し売りしてないですよ?(笑) 本当にふとしたタイミングで、ポツリと。
信頼関係って、時間がかかるんですよね。
でも、“伝え方”を変えるだけで、その時間はグッと近づくことがある。
私はそれを、子どもたちとの日々の中で実感しました。
アイメッセージ(I Message)は魔法じゃない。でも、第一歩にはなる。
もちろん、子どもとの信頼はアイメッセージだけで築けるものじゃありません。
日々の積み重ね、目を合わせること、声を聞くこと、待つこと、笑い合うこと――全部ひっくるめての関係づくりです。
でもね、もし今あなたが、
• 伝えたいことが上手く届かない
• ありきたりの注意ばかりになっている
• 「本当に伝わってるのかな」と不安になる
そんな思いを抱えているなら、
今日から**アイメッセージ(I Message)**を少し意識してみてほしい。
「私はこう思う」
「私はこうしてほしい」
「私はこう感じている」
たったそれだけのことで、子どもとの距離がふっと縮まる瞬間が、きっと訪れます。
【てんからのメッセージ】
あなたの言葉は、きっともう、子どもに届いています。
でも、もう少しだけ「どう伝えるか」を工夫することで、
**子どもが“受け取りやすくなる”**こともあるんです。
「あなたの声を聞いてるよ」
「私はこう思ったんだよ」
そんな声かけを、今日のひとつに入れてみてください。
子どもたちとの関係は、“言葉”からでも変えていけるから。
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