はじめに|「今日も全然食べなかった…」に落ち込むあなたへ
「一口で終わり…」
「イスにすら座らない!」
「食事中なのにウロウロ…」
「遊び始めて全然進まない!」
――そんな“食事の悩み”、イヤイヤ期にはよくあること。
でも、それは**「わがまま」でも「しつけがなってない」わけでもありません。**
実は、「ごはんを食べない」のには、こども全員に共通する“具体的な理由”があるんです。
子どもの胃袋は、思っているよりずっと小さい
WHO(世界保健機関)のガイドラインには、こう書かれています👇
「子どもが一度に食べられる量は、子どもの体重1kgあたり30ml程度。
たとえば体重8kgの子どもの胃の容量は240ml。それ以上は一度に食べられないと考えるべきである。」
つまり、大人の感覚で“これくらい食べられるだろうな”と出した量が、実はキャパオーバーなこともあるということです。
✅ 日本人の平均体重と胃容量の目安(1回の食事量)
年齢 | 参照体重 | 胃容量(約) |
---|---|---|
0~5ヶ月 | 6.3kg | 約189ml |
6~8ヶ月 | 8.4kg | 約250ml |
9~11ヶ月 | 9.1kg | 約270ml |
1~2歳 | 11.5kg | 約345ml |
3~5歳 | 16.5kg | 約500ml |
🍙 たとえば3歳児で500ml=お茶碗1杯と味噌汁でだいたい上限レベルです。
さらに気をつけたいのが【間食や飲み物】。
こどもたちが大好きなパックジュースは1本で100ml以上がほとんど。
しかも砂糖の甘さで「満腹感」が出やすいため、「ごはんを食べない」理由になってしまうことも。
👉 食事前の水分やおやつの量と時間にも、ぜひ目を向けてみましょう!
よくある3つの困りごととその対策
① ごはんを食べない! ⇒「食べる気スイッチ」が入る環境をつくろう
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“おなかがすくリズム”を意識した生活習慣を作る(間食・水分のとりすぎに注意)
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無理に食べさせるのではなく、においをかぐ・見て触る・少しなめるなど食に関心を向ける声かけを
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「食べなくても座れたら花丸!」というハードルの下げ方も、親の工夫のひとつ!
② 座らない!立ち歩く! ⇒「楽しい空間」と「けじめ」の両立を
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テーブルやイスの高さや安定感が合っていないと姿勢がきつい→集中が切れやすい
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始まりと終わりに「いただきます/ごちそうさま」の儀式を通してリズムを作る
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「立ったらごちそうさまね」と一貫して伝える(叱らず、淡々と!)
③ 遊び食べ・手でぐちゃぐちゃ ⇒「関わり方」で変わっていく
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「汚す=ふざけてる」と思わずに、五感で食べ物と出会っている過程として見守ってみる
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集中が切れたら、だらだら続けるよりも一度食事を終了させる決断も必要
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「今日は○○が食べられたね」「最後まで座っていられたね」など、できたことをポジティブに声かけ!
【てんのちょっぴり辛口コメント】
「もっと食べさせなきゃ!」って気持ち、すごくわかります。
でもね――
👉 こどもの胃袋には、ちゃんと“限界”があるんです。
そして、大人だって「空腹じゃないのに、無理にすすめられたら嫌」じゃありませんか?
栄養バランスも大切だけど、まずは“気持ちよく食べる体験”を積み重ねていくことが大前提。
「今はムリだな」と思ったら、1回の食事にこだわりすぎなくていいんです。
【てんからのメッセージ】
「ちゃんと食べてほしい」――それは、こどもを思う素敵な願いです。
でも、食事は“戦い”じゃなくて、“育ちと愛着の時間”。
少しずつ、自分で食べる
少しずつ、座っていられる
少しずつ、楽しく食卓に参加できる
その“少しずつ”が、人生の食べる力につながっていくんです。
今日もできなかった?大丈夫。
「明日また一緒にごはんを楽しもうね」
そう言える関係が、いちばんの栄養になるのかもしれません。
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